内勤の企業内診断士は、独占業務士業資格の追加が望ましい

中小企業診断士

(本日のコンテンツ)
1 中小企業診断士の仕事
2 プロコンはどうやって稼いでいるのか
3 ロールモデル
4 自分に対するあてはめ

皆様、おはようございます。
本日は、定年後の生業としての中小企業診断士に、何故「プラスワン」が必要と感じるのを述べたいと思います。

1 中小企業診断士の仕事

中小企業診断士は、「経営コンサルタントの唯一の国家資格」などと言われており、その仕事を一言で言うと、「経営コンサルタントです!」ということになります。
とはいえ、この資格がなければ、経営コンサルタントをやってはいけないなんてことなくて、弁護士を始め、あらゆる士業がクライアントの経営相談に応じています。(こういう資格を名称独占資格といいます。=中小企業診断士の登録者以外は、中小企業診断士と名乗れないだけです。)
ですから、これをお読みの皆様の中で、十分なビジネス経験のある方であれば、明日からでも経営コンサルタントを名乗って事務所を開いてもいいのです。特に営業経験が長かったりして、各方面に顔の広い方であれば、理屈しか知らない私なんかより、遥かに役立つ経営コンサルタントになれるでしょう。
なお、中小企業診断士で飯を食っている方々は、何故か自らをプロコンといいます。経営コンサルタント以外にも世にコンサルタントは数多あると思うのですが、経営コンサルタントで飯を食っている者というのも説明臭いので、今後は、私も、このワードを単にプロコンと略させてもらいます。

2 プロコンはどうやって稼いでいるのか

プロコンの稼ぎ方は、大きく分けると、「人脈で稼ぐ」と「コンテンツで稼ぐ」になります。
人脈で稼ぐは、文字どおり、幅広い人脈を活用してクライアントのニーズを満たして稼ぐというもので、例えば、いい商品はあるのに販路がないといったお客様に適切な販路を御紹介するとか、手早く新事業を行うための組織を入手したいお客様に、(普通は、M&Aの仲介会社を紹介する以上のことはできないと思いますが、)身売りを考えている手頃な会社を御紹介するとか、考え出せば切りがありません。
一方、コンテンツで稼ぐは、経営者の皆様が御興味を持つような事柄について、一定のまとまった知識体系を提供して稼ぐことになります。
具体的には、紙の本を出版する、その他のメディア(kindleやyoutube等も、こちらに入ります。)で販売する、講演やセミナーを主催し、又はそれらに出演するといった方法になります。

3 ロールモデル

さて、そうなると次は、自分にあてはめて考えなくてはいけないのですが、抽象的に考えすぎても、間違えるおそれがあるので、実際に多少なりともお付き合いのあったプロコンの皆様をロールモデルとして考えていきたいと思います。幸い、中小企業診断士は、登録時に15日間の実務補習(5日/社×3社の総合経営診断)を行い、その後、企業内に止まるときは、(私もそうですが、こういう連中を企業内診断士といいます。)5年間に30日間の実務従事(実務補習類似ですが、プロコンであるはずの指導員の質に開きが大きく、当たりはずれは激しいです。)が必要で、中小企業診断士を十年程維持しておりますと、それなりの数のプロコン様とお知り合いになれるので、これらの方々を中心に考えてみます。

(1) 人脈型

人脈型の先生といえば、やはり最初にT先生が思い浮かびます。T先生は、若い頃からプロコンのカバン持ちを始めた人で、その幅広い人脈で業務を熟す様は、まさしくプロコンの鑑と言えます。
人格的にも非常に優れた方で、私も若ければ、T先生のカバン持ちから始めさせていただきたいくらいなのですが、単に法学部出身というだけで、ほとんど営業ができなかった(法務部生活が長かった)そろそろ還暦の我が身を思えば、この方法は採りえないと分かります。
次に、やはり中々の人格者で何度か実務従事でもお世話になったY先生は、40歳位で独立して、まずは、小さな商工会から勤め始め、政令市の商工施設のマネージャーにステップアップと10年以上かけて徐々に人脈を広げておられるのですが、この方法も、もはや還暦では、ちょっと時間が足りなさそうです。

しかし、あまりウマは合わなかったのですが、実務補習でお世話になった切れ者のT先生は、会社を辞めるときには、既に3社の顧問先があったということ。
これを聴いた私は、「これだ!」と思いまして、中小企業診断士登録後は、我が社の協力会社(中小企業様にお金を貸して、その経営をサポートすることで、当該中小企業様に、利子を付けてしっかり返してもらうというビジネスモデル)の人事交流に入れてくれと、再三再四、申し述べましたが、今年度当初、最後の人事異動の機会においても、その希望が叶えられることはありませんでした。

要は、我が社の人事異動に、中小企業診断士という資格は、何の役にも立たなかったのです。
イコール、私には、方針転換が必要となりました。

(2) コンテンツ型

コンテンツ型の先生で思い浮かぶのは、何と言ってもU先生で、U先生は、中小企業診断士登録後間もなく、バランススコアカードを徹底的に深堀りされまして、紙の本も出しておられます。現在は、事業承継を徹底的に深堀りされ、公的機関の長を務めるなど、今やその人脈も凄まじいものがあります。
まあ、U先生は、雲の上の人としても、特に、需要の割りに供給の少ない分野を見つけて徹底的に深堀りすれば、私でも多少は戦えそうです。
まずは、テーマを絞り込み(現時点で、候補を2つに絞りました。)、LP+SNSを検討中です。

(3) プラスワン型

さて、仮にコンテンツ型から始めるにしろ、当たりが出るまでは、どうやって食いつなぐかという問題が生じますが、この認識と同時にS先生の顔が浮かび上がりました。
S先生は、朗らかで、非常に優しい感じの方なのですが、米国でMBAを取得したツワモノで、何と、音楽の趣味を生かして(S先生は、ギターが趣味なのです。)楽しく留学を乗り切られたそうです。
正直、「1曲合わせれば友達」には痺れました。
ちょっと真似できません。(--;

でも、こんな凄いS先生でもプロコンでは、中々食べて行けず、弁理士業務で飯を食っていたそうです。私が指導を受けていたときの話ですが、メンバーの一人がズケズケと、収入状況を尋ねた際に、「収入の8割は弁理士業務」とおっしゃっていました。
もっとも、現在は、深堀りしていたアグリビジネスの世界で、一角の存在感を示しておられるので、この割合は、変わっているかもしれません。
また、定年の日の翌日に、堂々、開業届を提出した、私が、ある意味、最も注目しているN先生も、ちゃっかり、行政書士登録をしておられました。

結論、深堀りしているコンテンツが当たるまでは、何か一つ、独占業務を有する別士業があった方がよい気がしています。

4 自分に対するあてはめ

このように現実のロールモデルに沿って考察すれば、深堀りしたコンテンツで勝負しつつ、他士業で稼ぐが自分にとっての戦術的正解のようです。
とすれば、コンテンツの検討は、既に開始しているので、次はどの他士業にするか(プラスワンを何にするか)なのですが、これは、次の機会に譲ることとして、本日は、この程度にさせていただきます。
それでは、皆様、家内安全を第一に、無理のない範囲でお取り組みください。

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