中小企業診断士試験の合理的な攻略法について

中小企業診断士

(本日のコンテンツ)
1 一次試験(敵を知り己を知れば百戦危うからず)
2 二次試験(芸風を定める)
3 結び(決意表明?)

皆様、おはようございます。
我が社では、中小企業診断士も全く評価されないのですが、私は、中小企業診断士になって悪かったと思ったことは一度もなく、取得して良かったと思ったことしかありません。
よって、皆様にも、取得を強くお勧めするのですが、各人、定年までのロードマップは異なりますので、次の事項に御留意いただきながら、自らに当てはめて考えてください。(万が一、お若い方が読んでおられたらごめんなさい。)
なお、私は、中小企業診断士に、他士業を加えることとしております。

  • 一次試験は、必要な時間を費やせば必ず合格できる。
  • 二次試験は、長時間を費やしても合格できない場合があり、「ここまで」と時間を区切る割り切りが必要である。(中小企業診断士養成課程進学者を除く。なお、同課程は時間と金がかかりすぎるため、以下同課程には進学しないものとして書き進めます。)
  • 豊富な人脈か売れるコンテンツがなければ、プロコンになっても、直ぐには食えない。(例えば、売れるコンテンツの準備、拡散などの時間が必要)

それでは、具体的な対策に移ります。

1 一次試験(敵を知り己を知れば百戦危うからず)

ますは、過去問(少なくとも1年分)に挑戦してください。
この挑戦で、

  • 過去問解説の意味が分かり、6割取れる科目(以下「容易科目」という。)
  • 過去問解説の意味は分かるが、6割取れない科目(以下「普通科目」という。)
  • 過去問解説の意味も分からないような対応困難な科目(以下「困難科目」という。)

の切り分けをしてください。
なお、普通科目と困難科目の切り分けは、過去問解説がどの程度理解できるかがメルクマールであると考えてください。獲得点数ではありません。
次に、切り分けができたら、概ね次のような方針で受験計画を策定してください。

  1. 困難科目(G.中小企業経営・中小企業政策を除く。)及びG.中小企業経営・中小企業政策(この科目だけ特別です。)については、予備校の科目別講座を受講しましょう。
  2. 困難科目の科目数が多く、科目別講座の支払総額が本科生の支払額を超えるときは、本科生になって、困難科目の対策をしましょう。(予備校での対策が不要な科目は、受講しなければいいのです。)
  3. 普通科目は、5年分の過去問のつぶしと2年分の模試のつぶしの3回まわし(以下「7年つぶし」という。)を行いましょう。
  4. 7年つぶしは、最初、30倍の法則で計画し、実行時に消費時間を計測して、適宜、見直しをしましょう。(いわゆるPDCAです。下図は、私が最近、行政書士試験のために使っていた記録の一部です。PDCAを間違えたので、お恥ずかしい限りですが…)
  5. 容易科目で、免除可能なものは、なるべく免除を受けましょう。
  6. 容易科目で、免除不可能なものは、7年つぶしで加点源にするか、2年分の模試のつぶしのみで時間短縮をするか、主に時間的余裕に合わせて決定しましょう。

 

さらに、下表も私の例なのですが(左が受験勉強開始時の得点、右が本試験時の得点)困難科目(赤色)は期待値(適当に〇をつけた場合の確率どおり)しか取れない状況で、合格体験記では、困難科目であるB.財務・会計の勉強時間を強引に増やして(1次試験までに100時間)事態を打開したと書きましたが、これはさすがにかけすぎです。ここまで酷い場合は、予備校の科目別講座を受けるべきです。不得意科目の独学は、やはり非効率的なのです
次に、下表から分かることとして、A.経済学・経済政策は7年つぶしで極めて伸びた半面(試験で問われる論点が繰り返し出るタイプ)、G.中小企業経営・中小企業政策は、45時間もやった割には、あまり伸びていないことがわかります。(試験で問われる論点が繰り返されないタイプ)

この性質は、2021年現在も、どうも変わっていないようなので、お勧めの作戦としては、前記のように、G.中小企業経営・中小企業政策は、(多分、困難科目ではないですが、)最初から予備校にお任せがよろしいのではと思います。
あと細かい点として、ITストラテジスト試験とかから流れて来た方は、F.経営情報システムは、免除でいいのではと思います。この科目、加点はできるものの、どうにも筋の悪い問題という印象が拭えず、まあ、御自身の判断ではありますが…
一方、E.経営法務は、試験範囲が非常に狭いので、7年つぶしだけで9割を狙うことも可能ですから、苦手意識のある方は、一度、試験問題を鳥瞰的に眺めてみてください。7科目中、ある意味、最も組みし易い科目です。

一次試験は、やれば必ず合格します。しっかり計画を立て、粛々と実行してください。

2 二次試験(芸風を定める)

二次試験を受験することができるということは、既に基礎的な学力があるはずで、ここで更に勢いを付けたいところではありますが、残念なことに、二次試験は、解答が公開されていないといったことがあって、次のようにお勧めの対策はあるものの、一応に過ぎません。

  • 過去問10年分(可能であれば、2006年からの新制度分全部。以下同じ。)を3回転でつぶす
  • 過去問のつぶし時は、骨子のみ書くのでOK(事例Ⅳは、計算結果も書くこと。)
  • 模擬試験を2回以上受けて、つぶす。
  • 時間的余裕があれば、自分の芸風とする予備校の直前演習をプラスする。

さて、二次試験は、一次試験のように「やれば必ず合格点」とは言えないのですが、事例Ⅳだけは、やれば必ず合格点に達するといえます。私は、TACとLECの解答を見比べながら、10年分を3回転しましたが、こと事例Ⅳだけは、予備校によって、解答がバラバラということはありませんので、この見比べは無駄作業でした。素直に回転数を増やしておけばよかったです。
一方、事例Ⅰ、事例Ⅱ及び事例Ⅲの過去問のつぶしは、(私も、合格答案集を読み散らかしたり、結構ふらふらしていて、偉そうなことは言えないのですが、)可能な限り、一つの予備校の芸風にしてください。(要は、一つの予備校の教材(市販の問題集を含む。)を使ってくださいということです。)
なぜなら、色々な芸風を節操なく詰め込んでしまうと、うまくアウトプットできないからです。
私の場合は、二次試験前に受けたTACの直前演習で芸風が定まり、合格を決めたのではないかと思います。
なお、二次試験の計画も、過去10年間を対象にするのであれば、30倍の法則からのPDCAで大丈夫ですが、2006年からの全過去問にするときは、その分、所要時間を長めにしてください。

3 結び(決意表明?)

年明けにでも、まとめて書きたいとは思いますが、二次試験がこんなことになっているのは、中小企業診断士試験に関する政府の方針が間違っているからです。
(2022年01月02日追記)政府提案をいたしました。

解答や採点基準を公表しないということは、国としてプロコンに求める資質を公表していないということで、資格試験を実施するに当たって、あってはならないことだと考えておりますが、現に公表されていないのだから、受験生の皆様は、今できる最善を尽くしていただくしかありません。

なお、私、恥ずかしながら、模擬試験でも、直前演習でも、一度もAを取ったことはありませんが、合格はできました。

皆様も、挫けず最後まで、しっかり計画を立ててお取り組みください。中小企業診断士が計画を実行できないようでは、紺屋の白袴です。

それでは、皆様、今後とも、家内安全を第一に、無理のない範囲でお取り組みください。

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