社労士ってどうよ(法律系資格試験の関係性)

弁護士

(本日のコンテンツ)
1 社労士ってどうよ
2 あなたは遊戯王ですか?
3 引けないと思ったら回避

皆様おはようございます。

行政書士試験に合格された方で、独立のタイミングを計っておられる方は、その間(在職中)に、もう一つ資格(ダブルライセンス)をとお考えかもしれません。また、特に、受験予備校の連中は、「行政書士試験に合格したら、次は、社労士試験ですね。」とか平気で言いやがりますので、本日は、社労士試験に関する私の調査結果と、併せて、私自身どうやって弁護士登録に漕ぎ着けようと思っているかを今日と明日に分けてお話します。

1 社労士ってどうよ

仕事熱心な受験予備校の方々は、社労士試験合格には、行政書士試験合格までの時間の5/3倍程度の時間(600時間→1000時間)で可能と賜りますが、それは、「できるかもしれません」という意味でしかありません。

以前、「士業試験の難易度は、公図の位置関係と同じ」という記事で、士業試験間の必要勉強時間の比較を述べましたが、もう少し、突っ込んだ相互の関係性も含めたイメージは下図のようになりますので、試験勉強の効率性だけから言えば、「次は、社労士ですね。」は、極めて的外れです。

だって、行政書士「試験」と社労士「試験」は、「ほぼ無関係」、なのですから

(注)この図の見方は、四角形の重なり合いが各資格試験の関係性の程度、面積の違いが必要とされる試験勉強時間の比率ぐらいに考えてください。

確かに、歴史的経緯として、現在の社労士「業務」は、過去、行政書士が担っていたことがあり、その「業務の親和性」は、「それなりに高い」のですが、個人事業主が使える時間は限られているので、大抵の士業者は、幾つかの分野に特化していきます。

故に、ダブルライセンスであっても、普通は、どちらかの仕事しかしていません

2 あなたは遊戯王ですか?

私も、今でこそ、「まずは、どこかの法科大学院に潜り込もう。」というように心が固まっていますが、それまでの間には、色々、迷走しつつ、調査を進め、同好の士である金田君(ヲ)が保有する社労士試験も、少し突っ込んで調べていました。

(ヲタク語録)
金田君とは、カバチタレ!の登場人物の一人で、行政書士と社労士の有資格者なのだが、ヲタクである…(--;

結論から言えば、仕事熱心な受験予備校の方々の言も、あながちウソではありません。ただし、あなたが「引ける男(女)」である場合に限ります。

といいますのも、例えば、昨年度の社労士試験では、四択問題計5問で、1点以上合格の救済措置(という名前の主宰者の失敗を糊塗する措置)が行われました。社労士試験は、年間四万人もが受験する人気試験なので、統計数値は、標準的曲線となり、仮に統計的に誰も解けない問題であれば、確率問題の答えどおりの正答率になります。

そして、統計的に誰も解けない問題とすれば、四択問題計5問で、1点以上となる確率は、76.27%
(計算式)
1-(3/4*3/4*3/4*3/4*3/4)=1-243/1024≒0.7627

この救済措置は、下枠のようなルールで発動するので、昨年度は、
①ミスリードでもあって、※1点以上の受験生が本当に7割を超えなかったのか(ルールどおり)
あるいは
②(ルールどおり=2点以上の人だけを合格)にすると「総合点を標準的な点数以上にすると予定の合格者数を大きく下回ったのではないか」と思います。(故に糊塗する措置

※ 全員が適当にマークするだけでも76.27%(7割以上)の人は1点以上。当たり前ですが、解ける人がいる程、この確率は上がります。仮に全体の2割の人が実力で1問以上解くことができるとすれば、1点以上の人達が占める統計的な確率は、8割を超えます。

各科目の合格基準点(選択式3点、択一式4点)以上の受験者の占める割合が5割に満たない場合は、合格基準点を引き下げ補正する。ただし、次の場合は、試験の水準維持を考慮し、原則として引き下げを行わないこととする。
ⅰ) 引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合
ⅱ) 引き下げ補正した合格基準点が、選択式で0点、択一式で2点以下となる場合

要は、社労士試験とは、統計的には、誰にも解けないような問題を出して、それで合否を決めている(少なくとも、そういう年度の存在する)試験であるということです。

しかし、裏を返せば、総合戦闘力さえあれば、誰もできないような問題が出たとしても、令和3年度であれば76.27%もの高確率ですから、武藤遊戯(ヲ)なら確実に1点を引き当て合格を勝ち取ることでしょう。(「俺のターン、ドロー!!!」ってやつですよ。)
(ヲタク語録)
武藤遊戯とは、遊戯王の主人公。どんなピンチでも、信じたカードは、必ず、来てくれる。正しく引ける男である。

そして、総合戦闘力の養成には、1000時間も要らないでしょうから(受験予備校の方々は、必要時間を長く言い過ぎる傾向があります。)、あなたが、行政書士業務よりも、社労士業務(注)をやろうと思っており、かつ、「引ける男(女)」である場合、社労士試験の受験は「あり」です。
(注)
社会保険労務士報酬基準】社労士業務の例示によい資料なので、リンクを貼っておきます。

3 引けないと思ったら回避

とはいえ、とはいえです。

社労士試験調査中、youtubeに非常にショックな投稿を見つけました。東大出の女性が気合度120%で1000時間勉強したにもかかわらず不合格∑(゚д゚lll)ガーン

さらに1000時間の勉強で翌年合格したそうですが、東大出のスペックで2000時間も気合度120%したら予備試験合格が見えてくると思いますが…

多分、この女性、「他は合格要件を満たしていた(総合戦闘力はあった)けれど、選択式で1点足りなかった。」と言っていたので、1回目受験では、「引けなかった」んじゃないかな?

結論、自分じゃ「引けないかも」と思うようなら社労士試験は回避しましょう。

仕事熱心な予備校の人達の言葉に踊らされてはいけません。
自分の時間を使うということは、自分の命を使っていることと同義だからです。

それでは、本日は、この辺りとさせていただきます。
今後とも、家内安全を第一に、無理のない範囲でお取組ください。

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