【解説】宅地建物取引士資格試験【令和元年度】問題4

宅地建物取引士

問題4正解4
1 誤(最判昭50.1.31)
2 誤(最大判平5.3.24)
3 誤(民法第719条第2項)
4 正(民法第723条、最大判昭61.6.11)

最大判昭61.6.11を知っていれば本問は解けるのですが、宅建試験としては難問です。もっとも、本問のような問題も出ているわけですから、この機に下記の条文及び判例を覚えるようにしてください。
※ 憲法学習をしていれば、最大判昭61.6.11は、必須の判例なのですが、憲法でやっていることが前提のせいか、民法の学習では、あまり見かけません。そういう理由で、憲法のない宅建試験では難問といえます。

【民法】
【覚】(共同不法行為者の責任)
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
【覚】(名誉毀損における原状回復)
第七百二十三条 他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
【覚】(最判昭50.1.31)
第三者の不法行為又は債務不履行により家屋が焼失した場合、その損害につき火災保険契約に基づいて家屋所有者に給付される保険金は、右第三者が負担すべき損害賠償額から損益相殺として控除されるべき利益にはあたらない。
【覚】(最大判平5.3.24)
一 不法行為と同一の原因によつて被害者又はその相続人が第三者に対して損害と同質性を有する利益を内容とする債権を取得した場合は、当該債権が現実に履行されたとき又はこれと同視し得る程度にその存続及び履行が確実であるときに限り、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。
二 地方公務員等共済組合法(昭和六〇年法律第一〇八号による改正前のもの)の規定に基づく退職年金の受給者が不法行為によつて死亡した場合に、その相続人が被害者の死亡を原因として同法の規定に基づく遺族年金の受給権を取得したときは、支給を受けることが確定した遺族年金の額の限度で、これを加害者の賠償すべき損害額から控除すべきである。(一、二につき反対意見がある。)
【覚】(最大判昭61.6.11)
一 雑誌その他の出版物の印刷、製本、販売、頒布等の仮処分による事前差止めは、憲法二一条二項前段にいう検閲に当たらない。
二 名誉侵害の被害者は、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対して、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差止めを求めることができる
三 人格権としての名誉権に基づく出版物の印刷、製本、販売、頒布等の事前差止めは、右出版物が公務員又は公職選挙の候補者に対する評価、批判等に関するものである場合には、原則として許されず、その表現内容が真実でないか又は専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときに限り、例外的に許される。
四 公共の利害に関する事項についての表現行為の事前差止めを仮処分によつて命ずる場合には、原則として口頭弁論又は債務者の審尋を経ることを要するが、債権者の提出した資料によつて、表現内容が真実でないか又は専ら公益を図る目的のものでないことが明白であり、かつ、債権者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があると認められるときは、口頭弁論又は債務者の審尋を経なくても憲法二一条の趣旨に反するものとはいえない。

(使い方)

  • 問題は、不動産適正取引推進機構のホームページなどから御自分で用意してください。
  • (使い方)よりも上の部分をワードなどにコピーして使ってください。
  • 【覚】とあるところは、暗唱までは不要ですが、その内容は覚えてください。

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